D2Cにおいては、データ分析や解析が必要になることが多いため、関数を駆使することが必要となります。
Excelを使ってデータ管理や分析をしていて、「VLOOKUP(ブイルックアップ)」の壁にぶつかったことはありませんか?
私自身これまでExcelに触れる機会がほとんどなく、マーケティングや広告などの運用でCSVデータや顧客データを扱うようになり少しずつExcelに慣れてきているところです。
そんな時にぶつかったのが「VLOOKUP」の壁。
SUMのように、こことここを足し算するなどのシンプルな計算式ならなんとなく把握できても、複数の値が出てくると一気に理解できなくなってしまっていました。
そんな同じような壁にぶつかる方に向けて、VLOOKUPの大まかな考え方をわかりやすく・簡単に解説します。
Microsoftのサポートページを見ると下記のように記載されています。
VLOOKUP は、テーブルまたは行別の範囲で検索する必要がある場合に使用します。 たとえば、部品番号で自動車部品の価格を検索したり、従業員 ID に基づいて従業員名を検索したりします。
その最も簡単な形式で、VLOOKUP 関数は次のようになります。
=VLOOKUP(検索する場所、返す値を含む範囲内の列番号、近似値または完全一致を返します。1/TRUE、または 0/FALSE として示されます)。
なんとなくは分かっても、いまいちイメージがわかない方もいると思います。(私がそうでした)
ものすごくざっくりと言うと、「大きなデータから、関連する必要情報を引っ張ってくるよ」という関数です。
いわば、探しものが得意な関数です。
VLOOKUPが活用される場面はいろいろ考えられます。
先ほど引用で記載した、Microsoftのサポートページにもあるような事例の他、実際に私が使用した場面は下記のようなタイミングでした。
情報・タスクなどの管理でよく使用される関数と覚えてください。
VLOOKUPは下記の関数を用います。
この関数を目にして、「検索値?」「検索範囲?」と疑問を持った人も少なからずいると思います。
私も同じでした。
大まかに言うと、こんな関数です。
=VLOOKUP(誰・何の情報を,どこの範囲の,何列目から引っ張る,値がない時はこうしてね)
それでは、私が検索値などの要素を把握できた方法を具体的に共有します。
上記活用シーンの「商品管理のマスターデータから、売れ筋TOP5の単価だけ一覧にしたい」場合を具体例としてみていきましょう。
今回は下記の「2021年8月の売上データ」のC列に各商品の単価を入れるためのVLOOKUP関数をご紹介します。
▼マスターデータ
▼2021年8月の売上データ
検索値とは、「誰・何情報」(誰(何)の情報が欲しいか)を指します。
今回は商品(売れ筋TOP5)の情報(単価)が欲しいので、2021年8月の売上データA列の「facial_01」など商品を区別する値が検索値となります。
=VLOOKUP(A2,検索範囲,列番号,[検索方法])
※A2と手打ちしなくても該当セルをクリックすれば選択できます
検索値を入力する際は、「facial_01」のように記載されているテキストでも検索はできますが、「A2」のようにセルの位置で記載することで汎用性が高くなります。
検索範囲とは、「どこ情報」(検索値の欲しい情報がどこにあるか)を指します。
今回欲しい情報(単価)は、マスターデータに記載されています。
検索値と情報を紐付ける必要があるので、マスターデータの中でもA列からC列の範囲が該当範囲となります。
=VLOOKUP(A2,マスター!A:C,列番号,[検索方法])
※「A2,」まで入力すると、マウスで検索範囲を選択できるのでシート名などコピペしなくても問題ないです
検索値と同じ「誰・何情報」が、「どこ情報」の一番左の列に位置するようにしないとVLOOKUPの関数は動作しません。
※INDEX関数とMATCH関数というものを組み合わせれば可能だそうですが、Excel初心者は大人しく「検索値は一番左」と覚えた方がいいですね。
※必ずしもワークシート内の一番左のA列に位置している必要はありません。あくまでも検索範囲の中の一番左なので、検索範囲が「マスター!B:D」とようになることもあり得ます。
列番号とは、「検索範囲の中で欲しい情報が何列目にいるか」を指します。
今回は検索範囲のうち基準となる検索値の列から数えて3列目に情報があるので、「3」を入力します。
もし、単価ではなく商品名と紐付けたいとなれば、2列目に情報があるので「2」と入力します。
検索方法とは、「検索値が見つからなかった場合の処理方法」を指します。
検索方法を入力する値は「TRUE/1(近似一致)」「FALSE/0(完全一致)」の2パターンのみです。
TRUEは、検索値を超えない値の最大値を引用します。
FALSEは、エラーとなります。
VLOOKUPでは、完全一致(この検索値には、この情報が紐づいている)で情報を引用することが多いので、少し雑な覚え方になりますが基本的には「FALSEまたは0で入力する」と覚えておくといいでしょう。
これでVLOOKUP関数の入力は完了です。
C2に関数を入力できたら、C列の下にコピーしていけば一覧の完成となります。
▼2021年8月の売上データのC列に単価が記載された
上記で完成させたC列にすべてのSKUの単価が入ったリストではない方法も、同じような考え方でVLOOKUP関数を使用することができます。
例えば、検索値のセルは1つだけにし、検索値を変更すればVLOOKUPで引っ張ってきている情報も変わる、検索窓のような使い方もできます。
▼検索値を変更すれば、連動して引用情報も変わるパターン
今回解説したのは、VLOOKUP関数の基礎の基礎です。
例えばIF関数との組み合わせで、「従業員一覧から、年齢によって健康診断を受ける人を管理したい」といったような管理をすることもできます。
応用に関してはまた別の記事で紹介させていただきますので、まずは「Excelが苦手」から「少し使えるようになったかも」になり、情報の分析や管理など役に立てていただけると幸いです。
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